WORKS
敷地は博多旧市街にあり、古い街並みの残る都市景観形成地区にあります。
オフィスビルが立ち並ぶ都市空間に対して、従業員30名規模のアトリエを構えるにあたり、
事務所機能を満たしながらも、この地が記憶してきた空間も、
計画へと反映されるかたちとなるように検討を重ねた。
高さの出る本体部分は奥へとセットバックし、軒の低い下屋部分を門型に形成して街並みに配慮した。
木造の構造体を現しとすることで、長細い空間の中に門型フレームが連続して立ち並ぶ様を目視できる。
空間の奥行きを強く認識でき、制限がある中での広がりある内部空間を体感できる。
間口いっぱいに建てられた構造体を見ることで、
旧市街地のウナギの寝床に建つ建築物だという土地性を認識することができる。
間口が狭く奥行きの深い敷地に計画するアトリエは周囲を建物で囲まれ、
光や風を十分取り入れずらいことから、2つの吹抜をうまく利用することでその課題の解決を図った。
吹抜には光や風を通すグレーチング床を採用し、そこから落ちる陽射しは、
木漏れ日のような柔らかさとなり、観葉植物の葉が揺れて風を視覚でも楽める。
通りからガラス越しに見える1階のフリースペースは、
社外との打合せやイベントなどにも利用する街に開放された空間として計画した。
イベントやセミナー会場として利用することで建築関係者やエンドユーザーをこの建物に誘導し、
本計画の都市型木造が広く認知されることを期待している。
用途 :オフィス
構法 :木造ラーメン工法
階数 :3階建
面積 :建築 100.72㎡
延床 234.18㎡
建設地:福岡