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INTERVIEW DIGEST
和田商事株式会社(後編)
SEN℃ 和田 由宇希社長
和田商事の人工大理石の加工技術をよりクリエイティブに強化させプロダクト・イノベーションを目指すべく “SEN℃(センド)”を2018年より始動。
CI構築をはじめ、ネーミング・VI構築・プロダクトデザインなどを行ってきました。WEBページやカタログをCIに基づく世界観で統一し、刷新することで業界内での認知度を上げ、売上は3割以上へとアップ。
今では両社でのコミュニケーションを図りながら新プロダクトの企画なども行って幅広いものづくりを展開しています。
成果
トータルデザイン後の変化と成果
トータル(CI構築をはじめ、ネーミング・VI構築・プロダクトデザイン)でブランドの構築を始め、各所にデザインを施した後の社内外はどう変わった?
FANFAREに依頼して、しばらくしてコロナ禍に突入したことで、その効果を感じるまで少し時間がかかりました。
とはいえ、しっかりと営業展開の中でカタログを活用した自社を売る活動から、非常に苦しい業績でしたが、たった3年でコロナ禍よりも業績を良くしたのは、大きな達成感がありました。
変化といえば、やはり周りからのイメージですね。ブランドを立ち上げた頃は、興味本位で「SEN℃(センシー、センク)ってなに?」といったところから始まり、「何か和田さんところってイメージ変わったよね〜。」との声と依頼をいただくようになりました。
特にInstagramで情報発信していたので、SEN℃のものづくりを、少しずつ理解していただけるようになり、お客さまがついたのは確かですね。
SEN℃では今、どのぐらい変わりましたか?
肌感だけでいくと、SEN℃と和田商事の屋号で取った受注だけだと、売上で30%ぐらい伸びていますね。
依頼当時に比べて比率はポジティブに変わった。
うまく発信できたことで、営業活動含め全てで効果を実感できています。
お客さまからの認知度が上がったこともありますが、なにより窓口となる営業がものすごく薦めやすくなったので、そういったことも大きな意識の変化かなと思いますね。
デザインを作ったことで会社が変わったというよりはデザインができたことで、それに向かって頑張れるようになったのが大きな成果です。
デザイナーが介入したからといって業績が上がるとか、モノが売れるというよりも、変わったことをどのように運用、発信、行動するかを同時にやらない限りは絶対武器にはならない。FANFAREはきっかけであって、あとは社内意識と行動が変わっていくと思うんですよね。
その後、業界のポジションにはどのように変化がありましたか?
やはり同業他社がそれのみを専業としてやっているにも関わらず、ウチは人工大理石以外の仕事っていうのを順当に増やしていっているので、そこが経営を支えているというのは実際あります。
ポジション的にはその同列というか、順列から一歩先にいったところで依頼をいただいているように思います。
統一した世界観での情報発信を続けているのでお客さまの受け止め方は非常に好意的で、期待を持ってくださっています。それに対して我々は応えていく努力ももちろん必要になります。
依頼の内容や客層にも変化を感じますか?
受注する会社の数が間違いなく増えましたね。
FANFAREからのWEB解析の定例報告で、主に内装設計の会社さんからの問い合わせ数がずっと安定していて、案件は増えました。
今までは降りてくる仕事が多かったけれども、設計をする側からの問い合わせは結構増えて5年くらいになります。
ありがたいことに認知度が上がっている。恐らくここだけでいくと、圧倒的にウチの方がイニシアチブを取れているのではないかなと思います。
デザインなど取り入れたいけど悩んでいるそんなものづくりをしている企業に対してメッセージはありますか?
まずは第1前提に「何もしなければ何も始まらない」っていうところですね(笑)
最初のきっかけを作ってくれるのがやっぱりデザインだなと思ったので、そこから自分たちで育てていく、温めていくぐらいの気持ちを持って取り組んでいかないと、ただデザインだけ作ったとしても何の意味もないし、何の効果もないと思います。
だからこそロゴとか、自分たちが愛着を持ち、ちゃんと育てていくという社育もしっかりしていかないと本当に意味がないことだと思う。
そして、デザインに対しての金額。
特にここは経営者として、ものすごく意識することですよね。
デザインはずっと残っていくものだから、費用対効果としては1年とかではなく、その後数年、効果を受け入れていく。
長い目で見て、投資をして、育て継続していくことがいいんだなと感じました。
デザインというものだけに期待をしたり、そこに投資してみたいのであれば、正直プライスレス。ただ誰と組むか、どういうものができるかは、デザイン会社次第だと思いますね。
トータルデザインに取り組むとなると、額面上はイニシャルコストの投資が必要です。
そうですね。
1,000円のところもあれば、1万円のところ、10万円のところもあるしで、じゃあその金額の明確な差は何ですか?って聞かれたら、ちゃんと意味があるはずなんですよね。
その意味をFANFAREが対外的に発信するものとして全てをまとめてくれた。
僕としてはすごくいいところだと思っているので、それに対する付加価値がこれですよって言われたら「ああ、なるほどね。」と納得できます。
ウチも、最初に出た金額見た時に「嘘やろ!」みたいな「本気かよ!」といったリアクションだったと思います。
でも僕は「やっぱり変わりたい。どうにかしないと。絶対に意味があるものにしないと。」という強い覚悟を持って臨みました。
そして、数年経ち会社が安定してきて改めて思うことは「大したことなかったな」って(笑)
根源となる理念、ロゴ、社名は20年30年、どのぐらい続けていくかという目的に合わせれば、その金額って割れていく。
別に悩まないで良かったなって今は思っています。
発展
今後の展望やチャレンジ
最後に、和田商事として、SEN℃としての今後の展望や、どのようなチャレンジをしていきますか?
今、和田商事が目の前に置かれている問題は、軌道に乗っているこのスキームがずっと続くように、人材・人を育てていくことですね。
その延長線上で売上になって会社が発展していくことになると思うので、基本的には登用を増やしていきながら、この事業を100年も200年も、というかたちで伸ばしていければと考えています。
ものづくりの事業は変わらず継続していきますし、頭の中にあるアイデアをまずは1個1個かたちにしていきたいと思っています。